ネット爆破予告で男逮捕=「むしゃくしゃしてやった」−警視庁
9月28日18時1分配信 時事通信
インターネットの掲示板に京王線調布駅の爆破予告を書き込んだとして、警視庁調布署は28日、威力業務妨害の疑いで、東京都三鷹市下連雀、無職平井淳容疑者(25)を逮捕した。同容疑者は「世の中が面白くなくなり、むしゃくしゃしてやった」と容疑を認めている。
調べによると、平井容疑者は27日午後6時から同6時10分ごろの間、京王井の頭線の電車内で、自分の携帯電話からネットの掲示板「2ちゃんねる」に「あす午後21時調布駅を手製爆弾で破壊します」と送信。駅員に安全点検を余儀なくなせ、業務を妨害した疑い。
犯人には嚴罰を科し、まだまだ二十五歳と若いのだから、心を入れ替へて眞面目に働いて貰ひたいが、それを云ふのがこの記事を紹介する主目的ではない。問題は記事のこの部分。
同容疑者は「世の中が面白くなくなり、むしゃくしゃしてやった」と容疑を認めている。
この種の事件は昔からあり、珍しくもないと思ふが、近年、インターネットの普及や、二ート、引き籠り、無職の増大に因り特に増えたと云ふなら問題だらうと思ふけれども、今はそれを穿鑿するのが目的ではない。問題としたいのは「むしやくしや」と云ふ表現である。動機はさう云ふ事なのだらうと思ふが、「むしやくしや」と云ふ言葉を今の若い人が使ふだらうか。さして若くない私ですら使はない(まあ、私は日頃は方言を喋つてゐるので、都會で使用されてゐたとしても使はないだらうけれども)。この種の事件のニュースでしか目にしないし、聽かない。後は刑事ドラマ位か。使つたとしても年配の刑事だけだらうと思ふがどうだらう。私が最近觀る刑事ドラマと云へば「相棒」だが、「むしやくしや」と云ふ臺詞を聽いた記憶が無い。「むしやくしや」と云ふのは死語だらう。今なら「むかつく」とか「いらついた」とか云ふだらう。今の若者なら「うざくてむかつき、いらついたから遣つた」と云ふのではないか。若者に限るまい。ある程度の年齡の者でもさう云ふ表現をする筈で、「むしやくしやして遣つた」と云ふ人なんて殆どゐないだらう。にも拘らず、殆どのマスコミは當り前の樣に使ふ。これは警察用語であり、報道用語なのだらうか。關係者はどんな理屈でこの事に就いて語るのだらうか。多少、前前囘取上げた「大リーグ」の問題と似てゐる部分もあるかもしれないがどうだらう、その檢證は今囘は遣らない。
流行語、流行表現に弱いマスコミが「むしやくしや」と云ふ言葉に拘り續けるのは些か怪訝に思ふ。眞實に拘ると云ふなら、若者が決して使はないであらう言葉で事件を傳へる事に關して疑問を持つべきだと思ふ。意味や内容が同じならどう表現しても構はないと云ふのだらうか。眞實と報道の乖離はそんなところから始るのではないか。いやいや、警察が發表してゐるのをその儘傳へてゐるのだと云ふかもしれぬ。それなら警察がさう云つてゐると云ふべきであつて、容疑者が恰もさう云つたかのごとく云ふのはをかしい。取調べで刑事から「むしやくしや」して遣つたのかと聽かれて頷いて、調書に同意の署名捺印をする。そしていつのまにか容疑者はさう云ふ表現はしてゐないのにした事になつて仕舞ふ。これを眞實と報道の乖離の第一歩だと考へるのは神經質過ぎると皆さんは思はれるか、それとも私にも一理あると思つて下さるか、さてどうだらう。